あいたくて海老天
-大晦日の夜、あなたがいない−-

1.
みやこはずれの 丘のふもとの 居酒屋どなりの あの店は
きょうも空っぽ あすも空っぽ 北風ふきすさぶ
そばに そばに わたしのこのそばに
そばに そばに 背わたすがって、いいですか
あいたくて あいたくて 探し探して こいしくて

2.
暮れゆく年を ここで越そうか 永年なじみの この店で
時に あたたかくして つめたくもして どちらも好きでした
ソバに ソバに あなたのそのソバに
ソバに ソバに 背わたみだれて、いいですか
あいたくて あいたくて 求め求めて いとしくて

海老天 海老天 つゆも知らぬまま かき揚げて
鶏あえず 烏賊ないで 鱚よりもただ あいたくて

                      (2022.01〜)